車いすになったばかりの頃って、ひどく落ち込む人が多いでしょう。引きこもり状態で極力車いすに乗りたくはないなんて人が多いと思います。僕の場合は入院中に県外へと転院したことで知り合いは皆無でしたが、多くの人は車いす利用者となった状態で知り合いに見られたり、あったりするのが嫌だったりもするでしょう。
でも、いつかは車いす利用者となったことは受け入れなければなりません。受け入れて社会に出ていかなければなりません。でも、何をしたら良いのかわからない人も多いでしょう。
身体障がい者である車いす利用者の特徴として見た目は障がい者ですが、中身は健常者と言う事を踏まえて「車いす利用者にお勧めな資格」を紹介します。
おススメしない業種とおススメな業種
おススメしない業種とは身体障がい者でも、ある程度は歩ける人や内部障がいの人と車いす利用者の場合はお勧めする仕事も資格もまるで違います。
まず、重い荷物を運ぶような仕事はおススメしません。
- 配達業務(配達先にエレベーターが無いと上の階に運べない)
- 工事現場(重いものを抱えて足場の悪い場所を移動しなければならない)
- 工場勤務(ライン作業なら何とかなりそうですが、実は意外と細かく動かなければならない)
- 店頭(実演)販売(人混みが多く、細かい移動が出来ない)
- 営業(段ボールや台車を使う事が多い)
逆におススメな仕事ですが「事務系」というか「事務系」の仕事一択です。仕事の内容は違いますが、車いす利用者でも五感と知力に関して正常な人に事務をするためのおススメ資格を紹介します。
1.簿記2級
簿記はお金の流れを記録する業務で、どんな会社でも必要となる資格です。会社の数だけ求められる資格ですから、分母となる数字がかなり大きいです。必置資格ではありませんが、持っているとかなり有利です。ボールペン1本を購入した場合でも「消耗品費」として適正に処理する必要があります。
で、何故2級なのか?3級の知識だと少し大きい企業が扱う案件には足りませんし、1級あれば良いですが、あっても必要ありませんし、取得難易度はかなり高いのでお勧めはしません。
ただ、3級は基礎知識をつけるために取得する事をおススメします。3級取得後にステップアップして2級を取得に挑戦しましょう。2級を取得すればある程度の大きさの企業で働けますし、一般枠でも地方銀行などで採用してくれる可能性があります。
2.地方公務員
分かりやすく言えば、障がい者の場合は役所とかに行くと、奥の方で座っている人です。公務員試験は健常者と内容が変わらないことが一番の特徴です。
試験内容も同じなら、年収も同じです。他の企業だと何かにつけて年収を落とされがちですが、公務員の場合は障がい者も健常者も年収が変わらないという特徴があります。
年収は最終学歴で若干の開きがありますし、採用される年齢なども関係してきます。一番おススメではありますが、僕は年齢が引っ掛かってしまいました。
3.弁理士
弁理士とは、特許や意匠、商標、実用新案といった知的財産権全般を取り扱う法律のスペシャリストです。おもな仕事は、法人企業や個人事業者から依頼を受けて、新たに発明された知的財産権を特許庁に申請することと、特許権の侵害など、既存の知的財産権に関わる争いを解決することです。
これらの事を素人がやろうとするととんでもなく手間が掛かってしまいます。
法律のスペシャリストって事ですから、当然取得難易度も高く、合格率は8%で学習時間は3,000時間は必用と言われていますが、法学部を卒業している人はそこまでの勉強時間は必要ありません。
4.社会保険労務士
社会保険労務士が専門とするおもな法律には、「労働基準法」「労災保険法」「雇用保険法」「健康保険法」「労働契約法」「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」などがあります。
社会保険労務士とは、国家資格でこれらの業務は独占業務ですので社会保険労務士以外が行う事が出来ません。こちらも難関資格で合格率は6%で勉強時間は1,200時間と言われています。
最後の2つは難関資格ですが、何故3,4をお勧めするかと言うと、独立も出来るし、独立したとしても営業をしたり、どこかへ書類を提出しに出かけたりと言う事がほとんどなく、独立後もあまり動き回らなくてよいからです。
他の仕業も、雇われている間はあまり動き回らなくても仕事があるかと思いますが、独立後の事を考えると最後に紹介した二つになります。しかも二つとも健常者よりも稼げます。社会的な地位も高くて、「先生」と呼ばれる仕事です。
車いす利用者の特徴は知力は健常者と変わらないという事です。つまり、努力次第では難関資格も取得する事が出来るのです。多くの車いす利用者が仕業の世界で活躍して、健常者よりも稼いでいます。
障がい者や車いす利用者が健常者よりも稼いではいけない事はないんです。
あとがき
車いす利用者の最大とも言える強みが、知力に問題はないという事です。歩けない分、自分の強みを最大限生かしましょう。健常者よりも稼いだらいけないという決まりはありませんから。