最低賃金の引き上げに関する議論(2022年7月26日)が続いています。全国一律1,500円を目標としているようです。全国平均が1,000円も無いのになるわけがありません。現在は最低賃金が時給1,000円を超えているのは東京都と神奈川県くらいです。でもA型事業所に通っている障がい者は時給が1,500円になろうと一人でいきていく事は大変厳しいでしょう。特に車いす利用者の場合は厳しいでしょうね。
平均4時間
就労継続支援A型事業所の一番ポピュラーな勤務時間は4時間です。それよりも多い所もありますが、おそらくどこの事業所も残業はありません。
最低賃金がアップする事は嬉しい事ですが、基本的にそれでは障がい者が一人で生活していく事はかなり厳しいですし、健常者の中でもかなり厳しい人がいると思います。時給が1,000円だった場合をかんがえてみましょう。
1,000円×4時間=一日4,000円です。月に22日間働いたとするならば、一日4,000円×22日間=月額88,000円です。
これだけで生活していくのは相当厳しいですね。実家に住んでいたり、実家から仕送りがある、障害年金を受給している人などは良いでしょう。更に、実際に88,000円丁度もらえる訳ではありませんからね。障がい者でも一般的な職に就いている人や、障がい者枠でもそれなりの賃金で働いている人は構わないでしょう。
では、時給が1,500円になった場合はどうなるでしょうか。
1,500円×4時間=一日6,000円です。22日間働いたとするならば、一日6,000円×22日間=月額132,000円です。
都市部ではなく、地方に住んでかなり節約して生活すれば、一人であっても生活できるのでは無いでしょうか?
ですが時給が上がるということは物価も上昇するという事ですから、更なる物価高騰があると思います。
倒産する企業が増えてくる
最低賃金で働いている人は沢山います。つまり最低賃金で雇っている中小企業も沢山あるという事です。企業の中には最低賃金が法律で定められているから最低賃金を支払っている企業は何社もあります。これ以上最低賃金を引き上げられると、倒産するしかないと言っている企業もあります。全ての企業が最低賃金を引き上げられて、すんなりと受け入れるとは限らないのです。
最低賃金がどれくらい引き上げられるかによっては、今現在働いている企業が倒産してしまい無職となる可能性が出てきます。最低賃金の引き上げに慎重なのはそういうことなのかと思っています。
雇用されてこそ
最低賃金と言っても、雇用されてこそ法律で保障されている金額を受け取れますが、雇用されなければ最低賃金を貰うことも出来ません。現在の最低賃金だからこそ今の環境や仕事の具合でも雇って貰えているだけで、最低賃金が引き上げられる事により仕事が出来ないからと解雇れたり、辞めるように追い込まれる可能性が出てきます。
最低賃金が上がるからと言って喜んでばかりはいられません。
就職や転職を考えている人は、どうぞ障がい者は就職するなら地方?都市部?
あとがき
今回の話し合いで最低賃金はどれくらいになるんでしょう。どれくらいであろうと受け入れるしかありませんけれど。