「車椅子スポーツでパラリンピックでも目指せば?」みたいな事を言ってくる健常者の人がいます。
毎回出来ない理由を説明するのも疲れました。
一つは、そんな簡単な目標ではない。
次に、トレーニングの時間と適切な場所が必要。
最後に、気軽に始めるほど安上がりな道具じゃない事です。
では、解説します。
そんな簡単な目標じゃない
海外の車椅子バスケットボールの選手の画像ですが、この人達の体格を見て下さい。
どう考えても、短期間のぬるいトレーニングで仕上がった体つきではありませんよね。
どの選手も、オリンピックの選手と同じように、ハードなトレーニングに耐えて、技術を磨き、車椅子スポーツをやっています。
いきなり参入して、2~3年練習すれば簡単に目指せるような目標などではありません。
トレーニングの時間と適切な場所が必要
どれだけガッツがあって、なにかしらの才能に溢れていても、車椅子でスポーツの練習が出来る場所なんて地方都市にはありませんし、学校を卒業していて就職もしていたら、仕事を辞めて、練習が出来る県へ引っ越すなんてできません。
何故なら、車椅子で雇ってくれる企業は障害者雇用の半分以下の場合が多いからです。
その練習場所の近くに雇ってくれる企業があれば良いですが、そう都合よくありますかね。
練習場所が確保できないので、パラリンピックの車椅子部門の選手に、地方出身者はいても、地方から参戦する人はほとんど居ないはずです。
気軽に始めるほど安上がりな道具じゃない事です
競技用の車椅子って、タイヤが斜めに取り付けてあったり、後ろ方向に倒れにくいようにストッパーみたいなローラーがついていたり、他にも通常の車椅子とは違うところがいくつもあって、スポーツをするのに特化した車椅子なんですよね。
普段使いの車椅子のように安い訳ではなく、一番安いモデルでも値段も手ごろとはいかないです。
どれだけ最低限のパーツでそろえたとしても、どのメーカーも30万円以上はします。
補助金は使えないのか?って聞く人いますが、普段使う車椅子と違って、生活に絶対に必要不可欠ではありませんから。
その人の障害にもよる
どの車椅子スポーツにしても障害によっては車椅子でのスポーツは厳しいです。
特に、競技用車椅子を使ったスポーツは手が不自由な人、体に激しい衝撃が加わると危険な人は出来ません。
競技用車椅子を使ったスポーツは激しいぶつかり合いが多いですからね。
あとがき
パラスポーツに限らず、プロのスポーツプレイヤーはその競技の事だけを考えて、努力して、その地位を確立したわけですから、凄い事だと思いますが、それは努力できる環境があってこそだと思います。
きっとそれはどんなことにも当てはまるのではないでしょうか?
環境で夢を諦めざるを得なかった人は沢山いるでしょう。
まさに、運も実力のうちです。